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Fine セミナー第1回 睡眠について
 JAMAでは健康について、様々な最新の研究報告を取り上げます。
動きの早い医療の世界で、皆様が知りたい!と思われる情報をタイムリーにお伝えできる場として、今月から『jast Fine セミナー』を定期的に開催いたします。
第1回目は「睡眠について」でした。

 深夜までの残業、遅い夕食、ネットでのコミュニケーションなどにより、ふと気がつくと寝る時間が遅くなっているということはありませんか?大人だけでなく、成長期に良質な睡眠が欠かせない子どもたちにも睡眠ルールが身についていない傾向がみられ、発達に問題が生じる懸念があります。
 例えばカリフォルニア州(8000家庭)の調査では、睡眠ルールのある4歳児の語彙力は睡眠ルールのない同年齢の子どもたちと比較して6%高く、計算力は7%高いことがわかりました。9歳児では睡眠障害のある子どもたちの46%が、21~26歳になったときに不安障害を生じることがわかりました。このように寝不足によって現れる障害は短期的なものだけでなく、十数年経ってから現れるものもあり、健康にとって大きなリスクといえます。

 寝不足は週末の”寝だめ”で取り戻そうと考えていらっしゃる方もおられるでしょう。
しかし、残念ながら寝だめはできません。
私たちの身体は自律神経や体内時計などの働きによって、昼間の活動、夜の休息時にそれぞれ適切な働きを行います。地球に昼と夜のリズムがあるように身体も昼と夜のリズムを刻んでいるのです。ですから、寝る時間が遅くなったとしても、起床時間を一定に保つことがこのリズムを崩さない秘訣です。
普段6時に起きるけれど日曜日にはお昼まで寝ていたというのでは、海外旅行で時差ボケになるのと同じなのです。

睡眠は‟代謝の時間”です。
古くなった細胞を壊し新しい細胞をつくり、脳では情報を整理し大切な内容は長期間キープできるように格納したりします。
また、がん細胞などの異常な細胞は免疫担当細胞のパトロールによって排除されます。睡眠中にこのような重要な働きがなされるわけですから、良質な睡眠が求められます。よく睡眠時間を気にされる方がおられますが、睡眠時間には年齢差や個人差があり、むしろ睡眠の質が肝心です。

 睡眠には夕方から分泌量が増えるメラトニンというホルモンが関与しますが、これは朝、お日さまを浴びると分泌されるセロトニンからできます。朝起きたらサッとカーテンを開けて朝日を浴びてください。眠るときにはスマホやパソコンを止め、消灯することも大切です。よく眠るための準備は朝起きたときから始まるのです。
また、心配事や深夜の仕事はなるべく翌日に繰り延べしましょう。
本来、夜間は副交感神経の働きが高まり身体はリラックスモードになりますが、心配事や仕事に向き合ってしまうと交感神経の緊張を生じ”アクセル踏みっぱなし”の状態に陥ってしまいます。これは睡眠の質を落とす原因となります。

 ベッドに入っても眠れないときは寝室から出て気分を切り替えましょう。寝室は眠るための聖域と心得て、眠れない時の長居は禁物です。キッチンでホットミルクを作り召し上がるのもよいでしょう。ミルクにはトリプトファンというアミノ酸が多く含まれており、メラトニンの材料でもあります。
 睡眠薬の利用を検討する場合は、その前段階として安全性の高い良質なサプリメントを試すこともおすすめです。睡眠薬の長期服用は認知症のリスクが高まることが懸念され、すでに厚生労働省のガイドラインで睡眠薬の減薬、休薬が勧められています。起床時に疲れがとれない、肌の色つやが悪いと思われたときには、一度ご自身の睡眠の質を考えていただくとよいと思います。
 
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02/23 06:10 | Fine セミナー
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