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セカンドオピニオンのタイミング
最近、ある認知症の方のご相談で経験したことです。
その方はアルツハイマー型認知症で、この病気でよく使われるアリセプトという薬を主軸に、症状の進行とともに他に2種類の薬をご利用になっていました。だんだんと幻覚やパーキンソン病のような小刻みな歩き方、手の震えなどが表れ、運動好きだったのにすっかり活動量が減り、日中も寝ていることが多くなってしまいました。
最近は怒りっぽくなってしまい、担当の医師からは「これはアルツハイマーの進行だからしようがない」というお話なのですが大変です・・・というご相談でした。
ずっと時間経過を辿っていくと、症状の進行というにはあまりに急激に悪化しており、ご家族の介護負担が増していました。

セカンドオピニオンに行って、今の治療がベストかどうかを再検討するタイミングのように思えました。すぐに学会の研究報告を調べながら、おすすめできる病院を選びました。
さて、セカンドオピニオンで判明したことは、「急激に悪くなっているのは病気の進行ではなく、薬の処方が合っていないためで、怒りっぽくなっているのもそのせい。そもそもこれはアルツハイマー型ではない」というものでした。

大変有名な病院で治療を受けておられたので、まさかセカンドオピニオンに行って診断がくつがえり、薬の処方が症状の悪化を招いていると言われるとは想像もしないことで、ご家族は大変ショックを受けておられました。
その後はすぐにそのセカンドオピニオンのドクターへ治療をお願いし、薬の見直しがなされて、急激に表れた症状がおさまり、この先どうなってしまうのかというご家族の不安な気持ちにも光が差し始めたようです。

アルツハイマー型認知症は現在完治できる薬はなく、症状の進行を抑えることしかできません。でも、それだけに盛んに研究される分野であり、様々な考えをもつ専門医がおられます。
治療がうまくいっていないと患者様やご家族が感じたときは、おそらくその感覚は正しいのです。
たとえ治らない病気といわれるものであっても、本当にこれしかないの?、新しい薬はないの?一番新しい研究ではどこまで解明されているのだろう?と、ぜひ希望を探してみましょう。
その手伝いをするのが私たちです。

「セカンドオピニオン」というと、がん治療などでどの病院にするかを決める前に行くことが多く、いったん一つの病院と関係ができると、その病院を信頼していればいるほど、途中で他の病院へセカンドオピニオンに行こうとは思わないかもしれません。
でも、”発想の転換”が運命を分けることがあります。



11/08 05:57 | 最近思うこと
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